取適法と請求書カード払い|発注側がカードで払っても受注者への支払期日は延びない

※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日

結論

取適法の支払ルール(発注側の義務)

公正取引委員会の説明資料(中小企業庁掲載)から、支払いに関わる部分をまとめます。

ルール説明資料の内容
支払期日「委託事業者は、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で、製造委託等代金の支払期日を定めなければならない。」
手形手形払は禁止(支払遅延に当たる)
電子記録債権・ファクタリング等「支払期日までに代金に相当する金銭(手数料等を含む満額)を得ることが困難であるものについては認めない」
振込手数料「中小受託事業者との合意の有無にかかわらず、委託事業者が製造委託等代金を中小受託事業者の銀行口座へ振り込む際の手数料を中小受託事業者に負担させ、製造委託等代金から差し引いて支払うことは減額に当たる。」
遅延利息受領した日から起算して60日を経過した日から、実際に支払が行われる日までの期間、年率14.6%

説明資料には、クレジットカードや請求書カード払いについての記載はありません。以下は、説明資料の一般的なルールと各サービスの公式の説明から整理したものです。自社の取引の扱いは、公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口や弁護士に確認してください。

カード払いで延びるもの・延びないもの

請求書カード払いでは、発注側がカードで決済し、サービス会社が受注者の口座へ銀行振込で払います。受注者から見ると、通常の振込で代金を受け取ることになります。

日付延びるか決まり方
受注者への支払期日延びない取適法のルール(受領から60日以内)と契約で決まる
受注者への振込日期日以前にする必要がある発注側がサービス上で選ぶ(サービスごとに選べる日が違う)
自社カードの引落日延びるカードの締め日・引落日で決まる(各社「最大60日」など)

つまり、カード払いは「受注者への支払いを遅らせる手段」ではなく、「期日どおりに払ったうえで、自社の口座から資金が出ていく日を後ろにずらす手段」です。

振込日の選び方で支払遅延にならないように

サービスごとに、選べる振込日と申込みの締切が違います(各社公式、2026年10月27日確認)。

申込みが遅れて振込日が期日を過ぎれば、カード払いを使っていても支払遅延です。期日から逆算した申込日の出し方はマネーフォワード請求書カード払いの手数料と振込日で説明しています。

日付の例

契約上の支払期日が2026年11月30日(月)の外注費を、Paid で払う場合の例です。カードの条件は説明用の仮定(締め日が毎月15日、引落しが翌月10日、休日なら翌営業日)です。

日付できごと
11月25日(水)Paid に申し込み、カードで決済。申込日の翌日から数えて3営業日目(26日・27日・30日)の11月30日を振込日に選ぶ
11月30日(月)受注者の口座へ満額を振込(支払期日どおり)
12月15日カードの締め日(11月25日の決済はこの締めに入る)
2027年1月12日(火)自社口座からカード代金を引落し(1月10日は日曜、11日は成人の日)

受注者への支払いは期日どおりで、自社の口座から資金が出るのは43日後です。11月26日に申し込むと、選べる振込日は12月1日以降になり、期日に間に合いません。「3営業日目」の数え方は、申込画面の表示で最終確認してください。

カード払いの手数料を受注者に負わせない

請求書カード払いの手数料は、発注側がサービス会社に払うものです。各社とも、手数料はカード決済額に上乗せして支払う側に請求する仕組みです。

受注者側から見た入金の確かめ方は、受け取る側から見た請求書カード払いにまとめています。

下請法からの主な変更点

取適法は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)を改正したものです。公正取引委員会のページでは、主な改正点として次の項目を挙げています(令和7年5月16日成立、同月23日公布、令和8年1月1日施行)。

手形払が禁止されたことで、発注側が手形のサイトで支払いを先に延ばすことはできなくなりました。資金繰りの手当ては、発注側の自社の資金調達(融資・カード払いなど)で行うことになります。受注側の資金計画から見た説明は、姉妹サイトの取適法の支払ルールにあります。

自社の取引が取適法の対象か

取適法の対象は、取引の類型と、発注側・受注側の規模(資本金・従業員)で決まります。対象の類型は、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託、特定運送委託(今回の改正で追加)です。

取引の類型委託事業者(発注側)中小受託事業者(受注側)
製造委託・修理委託・特定運送委託、情報成果物作成委託(プログラム)、役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理)資本金3億円超資本金3億円以下(個人を含む)
資本金1千万円超3億円以下で、常時使用する従業員300人超資本金1千万円以下で、常時使用する従業員300人以下(個人を含む)
情報成果物作成委託(プログラムを除く)、役務提供委託(運送・倉庫保管・情報処理を除く)資本金5千万円超資本金5千万円以下(個人を含む)
資本金1千万円超5千万円以下で、常時使用する従業員100人超資本金1千万円以下で、常時使用する従業員100人以下(個人を含む)

出典は公正取引委員会の説明資料です。類型の判断(たとえば、ある業務が役務提供委託に当たるか)は、公正取引委員会の資料や相談窓口で確かめてください。対象外の取引でも、契約で決めた支払期日を守る必要があることは変わりません。

60日以内に払う資金をカード払いでつなぐ費用

取適法の対象取引では、受注者への支払いを手形で先に延ばすことはできません。一方で、発注側の売上の入金が受注者への支払いより遅い場合、その間の資金が要ります。請求書カード払いは、その間をつなぐ手段の一つです。

100万円の外注費を期日どおりに払い、自社のカード引落しまで延ばす場合の費用(python で検算):

方法条件30日45日60日
請求書カード払い手数料3%(非課税、INVOY など)30,000円(36.50%)30,000円(24.33%)30,000円(18.25%)
公庫の融資を同じ日数だけ借りた場合年4.05%(基準利率の下限)3,329円4,993円6,658円

かっこ内は、手数料を「支払額×日数」で割って365日分に直した年率の目安です。比較のために置き換えた数字で、法律上の利息ではありません。

同じ金額・日数で比べるときは請求書カード払いの費用比較ツールを、公的な融資と保証は公庫セーフティネット貸付・SN保証をご覧ください。

支払いが遅れた場合の遅延利息との比較

資金が足りずに支払いが遅れると、受領から60日を過ぎた日から年率14.6%の遅延利息を払う義務があります。100万円が30日遅れた場合、1,000,000×14.6%×30÷365=12,000円です。遅延利息は費用だけでなく、法律違反の問題になります。期日に払う資金が足りないと分かった時点で、カード払いや融資で手当てします。

発注側の確認リスト

法律の当てはめは個別の事情で変わります。判断に迷う場合は、公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口や弁護士に確認してください。

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出典

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